国際結婚したけどバイリンガルに育てたい!

はじめに

まだ比較的に珍しがられることの多い国際結婚という言葉、確かに結婚全体の割合をみればまだ3%のごく小さな割合であることは確かに否めません。

 

しかし、一昔前に比べれば国際結婚は増えていることですし(近年再び下降に転じたそうですが)、パートナーの国籍も欧米に限らずアジア、中東など多様化しており、なかでも存在感を見せているのがベトナムでしょう。

 

それはともかく、国際結婚の後気になることはありませんか?果たしてわが子はバイリンガル(後ほど定義を整理します)に育てることができるのか、今回の記事ではそんな問いに答えていきたいと思います。


そもそもバイリンガルとは?

複数言語を話せていれば「バイリンガル」であると捉える人が多いようですがそれは厳密には正しい解釈ではありません。バイリンガルとは厳密にはずばり2か国語を操れることだけを指しており、それ以上は3か国語でトライリンガル、4か国語でクアドロリンガルと、それぞれに名称がついています。

バイリンガルに育てるためには?

わが子をいかにバイリンガルに育てるか、この問いも大事ですが現実として問うべきなのはむしろどのような要因でバイリンガルにならないか、もしくはバイリンガルだったのがバイリンガルでなくなり得るかという問いです。最初は順調であってもある要因が働いてバイリンガルでなくなることは少なくないからです。

 

・難しい理由―思春期

例えば母が日本人、父がイギリス人の家庭で生まれた息子がいると仮定しましょう。バイリンガルに育てようということで母とは日本語で、父とは英語でそれぞれ会話することになった息子、当初はこれが順調に進み、父方の親戚ともコミュニケーションで問題を抱えることはなくなりました。

 

この時点で息子が日本語が喋れないようならこれはNGですが喋れているのでここでは合格です。しかし、思春期を迎えた途端に父にも日本語で話すようになり、ついに英語を使うことは殆どなくなりました。

 

一体何が起こったのでしょうか?実はこれは語学の問題ではなくアイデンティティーの問題です。特に思春期は周りに同化しようとする心理が強く働くと言われており、先ほどの例ではより「日本人化」しようとした心理が働いていたということになります。つまり、複数の文化背景にいることへの充足感がほぼなかったとも言えるわけです。これがバイリンガルに育てる難しさなのです。

 

・バイリンガルに育てるときに意識したい3点(幼児期)

思春期以降は保証できかねることは分かりましたがそれでも幼児期の内に手を打てば少なくとも基礎は仕上がります。その際に意識したい点を3点紹介します。

 

まず1点目は幼児期の内はとにかく積極的に話しかける(≒インプット)ことです。ただし、2言語を伴うので話せるようになるまでに通常以上に時間がかかる可能性があります。こういうときはめげずにインプットする量を増やしてみるといいでしょう。

 

2点目は同時に2言語を使わないことです。矛盾するように聞こえるかもしれませんが一度に言語が2種類も混ざってしまうとむしろ混乱のタネになるだけです。ですから先述したように片方とは日本語だけで、もう片方とはそれ以外の言語で話すということを意識してもらうのがいいです。

 

3点目は読み聞かせです。読み聞かせが侮れない理由としては絵本の中には必ずしも日常では使わない語彙が含まれていることも多く、語彙を増やすうえで欠かせないツールです。これは後に読解力に影響すると言われています。

 

・バイリンガルと同じくバイカルチュラルに意識を

先述した通りですが思春期になると語学そのものよりもアイデンティティーにかかる要因でバイリンガルでなくなることが多々あります。そこに複数の文化背景にある充足感がなかったとすればバイリンガルではあってもバイカルチュラルに育てられていいなかったということになります。ですからバイリンガルに育てるのであれば同じくらいバイカルチチュラルに育てることが大事なのです。

 

・実は筆者もバイリンガルで育った

実は筆者は日本人とアメリカ人の家庭で生まれ、日本語と英語で育てられました。しゃべるまでに時間がかなりかかったそうなのですが小学生高学年までは日本語と英語を両方とも喋れました。日本語は日本人学校に通っていたこともあって辛うじて退化しなかったものの思春期の「アメリカ人に同化しよう」という意識からか殆ど伸びませんでした。しかし、それに入れ替わるように入ってきたのは当時のアメリカ生活で覚えた英語でした。

 

しかし、不思議なもので思春期が落ち着き、親戚のいる日本との行き来が増えるようになってから日本の文化にも誇りをもつようになり、いつしか日本語力も回復していました。筆者の経験から言えるのは同化しようとして伸びる言語とアイデンティティーに誇りをもてるようになって伸びる言語とで分かれるようです。

おわりに

国際結婚カップルに喜ばれるプレゼントということで5つ紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?今後身の回りで国際結婚カップルがいましたらプレゼント選びの際にこの記事が参考になれば大変光栄です。それでは皆さん、ユニークなプレゼントを見つけてみましょう!