ビザ目当て国際結婚 外国人女性が欲しがる配偶者ビザのメリットとは?

国際結婚の場合、相手がアジア、中東、アフリカ、南米など経済的に貧しい諸国出身だと、「ビザ目当ての結婚?」と疑われることがあります。

 

ビザ目当ての結婚とはどういうことを指すのでしょうか?

 

外国人が結婚してまで目当てにするビザにはどんなメリットがあるのでしょうか?ビザ目当ての結婚にはどんなリスクがつきもので、それを避けるためにはどうしたらいいのでしょうか?

 

全ての疑問をここで解き明かしたいと思います。

 

なお、この記事は「外国人女性と結婚する日本人男性」を対象とした内容となっていますが、発展途上国や失業中の外国人男性と結婚する日本人女性にも当てはまる内容でもありますので、参考にしていただければ幸いです。

 

1.ビザ目当ての際結婚とは

ビザ目当ての国際結婚とは、両者に愛情があるなしにかかわらず、日本での合法な長期滞在が許可される2つのビザ「配偶者ビザ」と「永住ビザ」の取得を目的とした国際結婚を指します。

 

後者の永住ビザはすぐには発行されませんが、配偶者ビザは結婚すれば取得できます。

 

配偶者ビザは日本人と結婚した外国人人とその子供に与えられる在留資格で、在留期間は「半年・1年・3年・5年」のいずれかが付与されますが、最初に1年付与されるのが一般的で、更新時に問題なければ新たに3年間許可されます。

 

ビザ目当てだからと言って、必ずしも「愛のない結婚」「偽装結婚」に結びつくわけではありません。

 

日本人同士の結婚でも「地位、財産、家柄」などを目当てに結婚し、安定した拠り所を見つけて幸せを手に入れるケースもあります。

 

日本人男性と結婚する外国人女性にとって「安定した拠り所」となるのが、「配偶者ビザ」を取得し日本に住むことなのです。

 

そんな外国人女性の主目的は経済的安定ですが、それは多くの女性が結婚に求めることでもあるため、ビザ目当ての国際結婚が必ずしも「愛がない」とは言い切れないのです。

2.配偶者ビザのメリットとデメリット

外国人女性が愛のない結婚をしてまで取得したい「配偶者ビザ」にはどんなメリットがあるのでしょうか。

(1) 無条件・無制限に就労できる

日本に滞在する外国人に付与される通常の在留資格ビザでは、ビザに記された活動以外を日本で行うことができず、就労に関して風俗営業はできないなど職種の制約や労働時間の制限などがあります。

 

しかし、配偶者ビザはそれらの制限が全くなく(国家公務員は除く)、特に貧困国から脱出して、収入の多い夜の世界での労働を希望する女性にとって、その種の労働が許可される配偶者ビザは魅力なのです。

(2) 独立・起業しやすい

経済的余裕があったり野心の強い外国人男女が、日本で起業するために「経営・管理ビザ」が必要となりますが、この取得はかなり厳しい制約があります。

 

しかし、配偶者ビザがあれば就労の制限がないなめ、日本人と同じようにいとも簡単に起業できるのです。

 

経済大国の日本は、他の先進国と比べても魅力的な市場を抱えていますから、お金儲けを狙う外国人にとって配偶者ビザは理想的な近道なのです。

(3) 永住ビザへの近道

期限付き在留資格である配偶者ビザとは違い、永住ビザは永住権が与えられます。つまり日本人と同じように、無制限に日本に住み続けることができ、就労できる権利を持ちます。

 

しかし永住ビザは通常のビザがあってもすぐに申請することはできず、日本に10年以上の在住期間を経てやっと申請することができます。

しかし、日本人と結婚して配偶者ビザを取得していれば、申請に必要な在住期間を3年に短縮することができるのです。

 

永住ビザを取得するメリットについては次の章でご紹介します。

(4) 配偶者ビザのデメリット

配偶者ビザ最大の難点は、日本人配偶者と離別した場合ビザは無効になり、別のビザを申請する必要が生じます。

 

また離婚の内容や日本での生活態度によっては、在留期限の延長が許可されず母国へ帰国を余儀なくされる場合があります。

 

そんなリスクを避けるため、最短期間で配偶者ビザから永住ビザへ切り替える「永住権狙い」の偽装結婚も多く存在するのです。

3.永住ビザのメリット

配偶者ビザの上位互換とも言える永住ビザとは、端的に言えば「外国人なのに特定の目的がなくても日本に滞在でき、かつ無期限で日本に居住できる在留資格」となり、まさに一般の日本人とほぼ同じ権利を与えられるわけです。そんな永住ビザのメリットとは?

(1) 国籍保持

日本国籍を取得するために母国の国籍を放棄する「帰化」とは違い、永住ビザは母国の外国籍を保持できるため、自国のアイデンティティを消失することはありません。

 

外国籍を保持できるので、いつでも自分の母国に戻って自国民として生活することもできるのです。

(2) 在留期限は無期限

配偶者ビザは在留期限があり、数年毎に更新しなければなりませんが、永住ビザの滞在期限は無期限で、延長手続きの必要もありません。

 

ただし、在留カードは7年毎の更新が必要で、忘れると永住ビザも無効になりますので注意が必要です。

(3) 就労は無条件

配偶者ビザは職種の制限はないものの、定期的に更新しなければならず、外国人が終身雇用の仕事や信頼を必要とする企業へ就職することは困難です。

 

しかし、永住ビザを取得すると、日本人とほぼ同じ条件で就労や転職もより容易にできるようになります。

 

ただし、国家公務員は国家機密保持上、外国人は就職できません。

(4) 日本での信頼向上

永久ビザを保持することで信頼性も高まり、金融機関からの融資も受けやすくなります。

 

そのため起業もよりスムーズにできるようになったり、住宅探しもハードルが低くなり、永住ビザが条件である住宅ローンで家を買うこともできます。

(5) 離婚や失業でも永住ビザは有効

配偶者ビザでは、外国人配偶者が日本人と婚姻関係を維持している間は日本での滞在が認められますが、離婚した場合は別のビザに切り替えるか帰国する必要が生じたり、在留期間の更新ができないなどの不都合が生じます。

 

また、就労ビザも失業した場合は、3カ月就労できなければビザは失効します。

 

しかし、永住ビザだと離婚や失業でも在留期間に制限はなく、再婚や転職など無条件&無制限に一般の日本人と同じように生活できるのです。

4.偽装結婚のリスク

上記で述べたような配偶者ビザ、永住ビザの利点を享受するために、経済水準の低い発展途上国から「ビザ目当て」で結婚する出稼ぎ花嫁も多く、中には、日本人夫が知らないうちに婚姻届を出され、見知らぬ外国人女性と結婚していたり、仲介業者に名義を貸し偽装結婚に加担していたという被害報告も出ています。

 

また、日本の暴力団と海外のマフィアが仲介して、日本の配偶者ビザほしさに外国人女性がホームレスの貧しい日本人男性に金銭を払って偽装結婚し、永久ビザを取得するという悪徳な偽装結婚も存在します。

 

偽装結婚とは、愛がなく夫婦関係の実態を伴わず、ある目的のために法的に婚姻することであり、一種の詐欺とも言えます。

 

その目的は「就労目的」「金銭目的」「永住目的」などがあり、その目的を遂げるための手段も様々です。

5.偽装結婚を回避するために

それでは偽装結婚の被害者にならないためにどうすればいいのでしょうか?

 

それはビザ目的の外国人をしっかり見極め、彼女たちと出会い、近づいてくる傾向を把握しておくことが大事です。

 

例えば、そのような女性と出会う危険な場所にも法則があるのを知っておくべきです。

(1) 社交飲食店・風俗での出会い

外国人女性が夜の世界で働けるということは、既に配偶者ビザか永住ビザを持っているということですが、持っていなくて近づいてくる場合は「ビザ目当て」または「金目当て」と察した方がいいでしょう。

 

また、配偶者ビザを持っていても離婚していた場合は、永住ビザ取得のために偽装再婚を狙うパターンもあるので気を付けましょう。

(2) 国際お見合仲介所での出会い

国内の結婚紹介所は問題ありませんが、海外の結婚仲介所は質より量、つまり客のためではなく利益を優先するため、法外な入会金をぼったくられたり、「金銭目的」の悪質な花嫁を紹介されたりと、トラブルに巻き込まれやすいので注意が必要です。

(3) 技能実習生・難民申請外国人との出会い

現在日本の技能実習制度は、最大5年間の実習期間が設けられていますが、外国に存在するエージェントに多額の借金をして来日する実習生もいます。

 

受入企業にもよりますが、低賃金、長時間労働、劣悪な環境で労働を余儀なくされる技能実習生は、借金の返済に追われ、大した貯金もできないまま滞在期限が迫り精神的に追い詰められ、不法滞在や強制送還を避けるため、偽装結婚に走るケースもあるのです。

 

また、本当は難民ではないにもかかわらず難民申請中の外国人も日本にはたくさんいます。いわゆる偽装難民です。

 

日本では難民申請すれば難民認定を受けるまで一定期間日本に滞在でき就労も可能です。

 

しかしながらほとんどのケースでは難民認定はされません。

 

したがって難民申請中に日本人と結婚して配偶者ビザを取得したいという難民外国人が多いので注意が必要です。

(4) インターネット・マッチングサイトでの出会い

これは日本人同士の出会いでも要注意事項ですが、外国人女性との出会いの場合も自己申告であるプロフィールの履歴や写真に惑わされないことが大事です。

実際に会う前に相手について以下のポイントをチェックしておきましょう。

 

・母国や出身地域の経済状況

・大家族でないか

・最終学歴は小中までか

・顔写真から肌・髪の状態、服装、歯並び、爪の状態

 

いずれも相手の経済状況を知るヒントになり、金銭目的の結婚=偽装結婚でないかを見分けるチェックポイントになります。

6.まとめ

経済大国日本に憧れる外国人滞在者は年々増え、ビザ目当ての偽装結婚も増えています。

 

外国人との出会いも増える昨今、そうしたビザ目当て婚の被害者にならないために、相手が「不法滞在でないか」「留学生なのに仕事ばかりしていないか」「結婚を迫られないか」「嘘をついていないか」など、相手の素性と目的をしっかり見極めることが大事です。

 

外国人女性と本当の信頼関係を築くためにも、知り合った当初は「性悪説」を前提に相手をチェックしながら彼女の真意を確認することが、リスク回避の最善策となるでしょう。