国際結婚で引き出物はどうする?

近頃よく耳にするようになったベトナム人やフィリピン人などをはじめとする東南アジアの人たちとの国際結婚に代表されるように存在感は日に日に増しています。

とは言え、国際結婚は言うまでもなく日本国内で普通に結婚するのとはわけが異なります。文化などの違い故に対応も大きく異なり、戸惑うことだらけなのではないでしょうか?

今回は国際結婚での引き出物事情について解説していきます。引き出物とは端的に言えばご祝儀に対するお返しのようなものなので実はパートナーの国のご祝儀の有無や習慣が分かれば自ずと裏をひっくり返すように答えが出てくる場合が多いですが実は例外もあります。

国内の引き出物の相場

先述したように引き出物は受け取ったご祝儀に対するお返しのような位置づけです。日本国内ではご祝儀に対する引き出物は概ねご祝儀の内の10%程度の予算であることが殆どです。もちろん、現金で返すのではなく、そのご祝儀の10%程度の予算を使って引き出物(すなわちプレゼント)を買って来場者に差し上げる、という流れになります。物によっては直接渡してしまうと荷物になってしまうので宅急便などで配送するという手段もよく使われます。

国際結婚の場合の引き出物事情

国際結婚の場合は一概に引き出物の予算について断言することはできません。文化などがそもそも異なるのでそれは当たり前のことなのですが冒頭で言及したようにご祝儀に対するお返しが引き出物になるわけですからご祝儀の有無で答えは多くの場合出ます。しかしながらその中には例外も存在します。今回は5地域のケースを例に紹介していきます。

<欧米>

欧米はご祝儀がないわけではないが決まりもない極めて曖昧な地域です。ご祝儀自体は義務付けられておらず、その裏を返すように引き出物に関する決まりも特にあるわけではありません。つまり、欧米ではご祝儀と同様に引き出物についてもあくまで任意なのです。一見ドライに見えますが実態として欧米では結婚式にあまり多くの予算を出しません。余談ではありますがご祝儀も引き出物も義務ではない代わりに式場内のドリンクなどは全て有料になっているという仕組みにも実はつながってきているのです。

<韓国>

韓国は極めて特異なもので、ご祝儀は明確に存在するもののご祝儀に対するお返しとなる引き出物についてはルールが殆どありません。つまり、欧米の結婚式でご祝儀だけ義務付けたのが韓国の結婚式、ということになります。そのため、韓国も引き出物はないことが多いですがご祝儀の10%以下の少額の予算内で引き出物を用意するという場合も多く見られます。国際結婚で相手が韓国人だった場合は日本人も出席することを考慮すると引き出物を用意することを推奨します。

<タイ>

タイは典型的なご祝儀もあればお返しの引き出物も明確にある国のひとつになります。タイの場合は引き出物に出される予算は概ね1万バーツ前後であることが殆どと、相場もまた明確に決まっています。なお、1万バーツというと日本円で直すと約36000円程度です。なお、タイの場合は結婚式で現金をそのまま杯に入れて来場客に披露することもありますがそれが果たして引き出物に入るかというとそうはならないのではないでしょうか。

<中国>

中国もまた日本やタイなどでもやっているようにしっかりと引き出物を用意します。しかし、元々は豪華な引き出物を用意するという習慣がなかったようで、一昔前であればタバコやウェディングキャンディーなどが主流になっていました。現在となっては引き出物が多様化しており、その中には書籍や観葉植物などが含まれ、予算は100元程度であることが多いです。これは日本円に直すと約1600円程度といったとことになりますが場合によってはもう少し奮発してもいいのかもしれません。

<アラブ圏>

中東・マグレブ(北アフリカ)地域にまたがるアラブ圏ではご祝儀は存在しませんし、引き出物があるわけでもありません。その代わり、引き出事(?)があり、なんと楽団や歌手などを結婚式に呼んで実際に音楽を披露してもらうのです。基本的に誰でもいつでも入れるという特性上引き出物を用意することはできないもののこうしてカバーしているというわけなのですがこの費用は全て新郎側が出しています。

おわりに

いかがでしたでしょうか?ご祝儀があっても必ずしも引き出物は出さないというところもあるのは驚きでしたね。このように国際結婚で引き出物についてどうするかを考える前にまずは相手の国での結婚にまつわる慣習や文化などを調べておけば憂いなしというものです。