留学生との国際結婚は要注意!入籍前に確認すべきことは?

年々増加する外国人留学生との出会いや結婚も増えていますが、国際結婚の中でも留学生との結婚は特に注意が必要と言われています。

 

学生で仕事もなく生活の安定が保証されないだけでなく、配偶者ビザ狙いの偽装結婚も増え、真面目な留学生というイメージが消えつつあります。そんな詐欺まがいの留学生と結婚しないためにはどうすればいいのでしょうか?

1.留学生の推移と種類

日本政府は2020年までに留学生の数を30万人まで増やす目的で、外国人学生への門戸を広げ、様々な優遇措置をとっており、まもなく30万人を突破しそうな勢いでその数は増えています。

【過去5年間の留学生数の推移】

統計年 留学生数(人)
2013 168,145
2014 184,155
2015 208,379
2016 239,287
2017 267,042

【留学生の内訳】(2017年)

国名 留学生数(人) 構成比(%)
中国 107,260 40.2
ベトナム 61,671 23.1
ネパール 21,500 8.1
韓国 15,740 5.9
台湾 8,947 3.4

 

内訳を見ると、中国人とベトナム人が全体の6割以上を占め、特にベトナムとネパールの留学生は2011年の震災以降、10倍以上も増加しています。また出身地域別では、アジア地域からの留学生が93.3%、欧州・北米地域からの留学生が4.4%と、圧倒的にアジア勢が占めています。

 

そんな外国人留学生が日本で入学する学校は大きく分けて以下の2つに分かれます。

(1) 日本語学校

日本語を習得・向上させるための学校で、入学後最長で2年3カ月の留学ビザがもらえます。

留学ビザの取得には日本語学校への入学許可が必須条件であるため、日本語を話せる学生でも日本語学校へ入学します。

また、大学・大学院・専門学校などの高等教育機関への進学に必要な、日本語力強化のために入学する人もいます。

(2) 高等教育機関

大学・大学院・専門学校などで高等教育を受ける場合、高い日本語力を要求され、日本語能力試験(JLPT)で日常生活に支障のないレベル1~2を取得しないと入学は困難とされています。

最近はレベル3でも受け入れる金儲け主義の専門学校も一部にはあるようです。

2.留学生のアルバイトと違法就労の実態

留学生は法律上日本での就労は禁止されていますが、資格外活動許可があれば週28時間以内、長期休暇中は週40時間以内のアルバイトが可能になります。

日本でよく見かけるようになった外国人労働者の多くが留学生アルバイトとされています。

 

その背景には、留学生側の「学費や生活費をまかないたい」「日本語の勉強になる」という希望と、日本の雇用者側の「とにかく働き手が欲しい」という2つの思惑が一致するからに他なりません。

法的に許可されている以上、留学生のアルバイト増加は何の問題もありません。

 

問題となるのは、留学ビザなのに学業目的でなく就労目的で日本にやってきて、就労で疲れ果て学業がおろそかになり、違法労働や不法滞在、ビザ目的の偽装結婚に手を出す場合です。何故そのような事態になってしまうのでしょうか。

 

日本語学校の中には海外の留学斡旋業者と提携して入学者を募集しているところが多々あり、斡旋業者の中には「日本では留学しながらアルバイトで20万稼げる」といった誇大広告で、留学希望者から多額の手数料を取る悪徳業者も多く存在します。

 

日本語学校の学費の相場は1年で100万円超で、その高額な授業料の一部は海外の斡旋業者に搾取されているケースが多いのです。

大金を家族から借金して留学するため、お金を稼ぐことが第一目的となり、週28時間という法の壁を破って超過時間働く違法労働を続け、睡眠時間が減り学業に支障をきたすようになるのです。

 

違法労働が発覚すれば強制送還の危険性や、ビザ更新が不許可になる可能性高まりますが、それでも違法労働が減らないのは、「日本人の労働不足」と「外国人の就労希望過多」という需要&供給のバランス調整が、社会的背景にあるからなのです。

3.国際結婚相談所に頼る留学生

以上のように、留学生が違法労働に走り、まともに学校にも通えず日本語も上達しない状況では、ビザの更新が下りず日本への滞在延長はできなくなります。

そこで、労働条件や滞在期間にほぼ無制限の永住ビザ取得の第一歩として、まず配偶者ビザを狙う留学生が多く出てくるのです。

 

実際、国際結婚相談所に登録する留学生が増えており、真剣に結婚相手を探したい人も中にはいますが、明らかにビザ狙いの留学生もいるのでその見極めが大切です。

留学生だと何故注意する必要があるのでしょう。

その理由は「勉強」が主目的なのに何故「結婚」を求めるのか、収入も安定しない留学生の身で何故「結婚」を希望するのか、懐疑的になる理由はその辺にありそうです。

(1) 日本語学校の留学生

日本語が十分話せない留学生が日本人と結婚するとき、日本人側が英語や現地語が話せない場合、コミュニケーションツールは何なのでしょうか?また学生であれば学業を終了して学校を卒業することが主目的であるはずです。

結婚するのはその後でも十分いいはずです。

 

それなのにわざわざ結婚相談所に入会金を払ってまでお見合いをして日本人伴侶を求めるのは、「偽装結婚して学費出してもらう」「労働制限・滞在期限を無制限にできる配偶ビザがほしい」という下心があると疑ってもよさそうです。

(2) 大学進学希望の専門学校生

日本語学校卒業後、専門学校は比較的入学し易いですが、大学には高い日本語力を必要とします。日本語力が乏しいのに大学進学を目指す専門学校生は、一生懸命日本語を勉強する必要があります。

 

その間受験準備のための学費や生活費も必要になるわけですが、そんな受験中に結婚相談所に登録すること自体が不自然です。結婚相手に学費や生活費の負担してもらうのを狙っている可能性があるので注意しましょう。

(3) 専門学校を転々とする留学生

日本語学校から比較的入学しやすい専門学校に移った後、1つの学校内でコースを幾つも変えたり、別の専門学校に再入学したりして、滞在年数を増やすテクを駆使する留学スペシャリストが存在します。

 

そのタイプの専門学校生が結婚相談所に登録する場合も気を付けた方がいいでしょう。

4.留学生との結婚前に注意すべき点

海外の結婚相談所はリスクもかなり高いですが、国内の国際結婚相談所でもやはり留学生との結婚はリスクは高くなります。

留学生との結婚が持ち上がった場合、どうすれば偽装結婚でないと判断できるのでしょうか?

 

国際結婚相談所に登録する、明らかに偽装結婚目的の怪しい留学生をどのように見極めればいいのでしょうか?

その判断材料は以下のような点になります。

(1) 出身国・出身地域

政治・経済的に不安定な国、先進国でも失業率の高い国など、経済大国日本での就業を目当てにして留学する場合は要注意です。

また、留学生をカモにする留学斡旋業者や代理ビジネスが横行する発展途上国も警戒した方がいいでしょう。

 

また地方によって、経済状況が異なる場合もあるため、貧困地域出身でないか、など相手の財政事情を把握した方が賢明です。

(2) 財源と家族

留学では学費や生活費の保証は最低限必要となります。その財源はどうしているのか、誰が援助しているのか、両親が援助している場合は家庭環境はお家の財政事情まで把握しておく必要があります。

大きな借金があったり、貯金も全くないまま結婚を考える留学生であれば、日本人パートナーの懐や配偶ビザをあてにしていると疑ってもいいかもしれませんね。

 

また相手が国に大家族を残し貧しい家庭環境の場合は、仕送りを念頭に入れて日本でのアルバイト目的に留学する場合もあるため、相手の家庭事情を知っておくことも大事です。

(3) 日本語のレベル

日本語が流暢でない留学生が日本語が上達しないまま結婚に誘導する場合は、しばらく結婚を待った方がいいでしょう。仕事を見つけるにしても十分な日本語力が必要です。

ある程度日本語が上達し、仕事に差し支えないレベルになったら結婚を考えるのが賢明です。

(4) 同居の依存性

留学生の一番の出費は学費と生活費、特に住居費の支出は大きいので、結婚前にやたら同居を望む=家に転がり込む場合は要注意です。相手の真剣度を確認するために、試験的に同棲してみるのも一案ですが、相手が日本人パートナーに完全な依存状態にならないよう、最初に割当配分の取り決めをしておいた方がいいでしょう。

それを拒否する留学生は信頼性に問題があると思われ、金目当て、配偶者ビザ目当てとみていいでしょう。

5.まとめ

留学生は本来学業を学びに来る外国人のことで、滞在中は留学ビザで十分保証されています。

 

しかし近年拝金主義の悪質な留学斡旋業者や国際結婚仲介業者に騙され、借金に追われ勉学どころではなくなった留学生が、最後の砦として配偶者ビザを狙う偽装結婚も増えています。若い学生とのロマンだけに溺れず、本当に愛が育まれているのか、客観的に自分を観察する冷静な目も必要ですね。