ビザが出ない!配偶者ビザが取れない理由16選

国際結婚はスムーズにできても配偶者ビザはなかなか取れないという国際カップルが急増しています。

国際結婚手続きは届出制ですが、配偶者ビザは許可制のため審査基準に高いハードルが設置されており、簡単には許可が下りません。

 

国際結婚をしたはいいけれど、日本に暮らす上で最初の難関が配偶者ビザの取得です。配偶者ビザが取れないのはどんな理由があるのでしょうか?

無事ビザ審査を通過するにはどんな点に注意すればいいのでしょうか?

 

1.留学生ビザからの移行

結婚相手が外国人留学生の場合、学校を辞めて3カ月を経過すると留学ビザを取り消され、配偶者ビザへの移行が難しくなります。

退学・休学どちらの場合も、その正当な理由を説明した書面や、学校の出席率や成績表などを入国管理局に提出すれば、許可が下りる可能性も高まります。

 

留学生の場合は学校を卒業してから留学から配偶者ビザに移行する方が、留学生としての責務をまっとうしたと認められ審査が通り易くなります。

 

2.アルバイト優先の留学生

日本で勉強する外国人留学生が、留学ビザから配偶者ビザに移行する審査では、形式より実質が重視されるため、出席率と成績は重要な判断材料になります。

日本語学校や専門学校の場合は8割以上の出席率があれば問題ありませんが、大学は単位が重要となるので学業への専心は必須となります。

 

留学中に「資格外活動許可」を取得すれば週28時間以内の労働が認められていますが、28時間を超えると不法就労となります、また学校を退学・卒業した場合は学生でなくなるため、「資格外活動許可」も失効するので労働すると不法就労となります。

こうした状況下では配偶者ビザの取得も困難になるので要注意です。

 

3.ビザ失効直前の駆け込み婚

短期滞在ビザで来日の外国人、休学・卒業した留学生、帰国間近の技能実習生など、ビザ更新の可能性が低い外国人配偶者との結婚は、

 

「ビザの更新が難しい → でも日本に留まりたい → 日本人と偽装結婚すればビザがおりる」

 

と勘繰られ、入国管理局から配偶者ビザを取りにくくなるので要注意です。

 

確かにこうした外国人との恋愛では、ビザの期限が日本滞在の節目になり、「結婚の決意」の機会になるのも事実なので、一概に偽装結婚とは見極められませんから、真剣な恋愛である証拠提出が鍵となります。

 

4.短期滞在ビザから移行

外国人が報酬を得る活動をしない場合は、国で認可された68か国に限り日本に3カ月ビザなしで滞在できますが、それ以外の国の外国人は15日、30日、90日滞在の3種類の短期ビザを取得する必要があります。配偶者ビザへの切替が可能なビザは90日の短期ビザに限定され、15日、30日の短期ビザでは変更できません。

 

実は日本の法律では90日の短期ビザがあっても、在外公館での慎重な査証審査を要するため、配偶者ビザへの変更は原則的にはできません。入国管理局が納得できる「相当な理由」を用意することが必須です。

 

5.交際期間が短い

近年は男女の出会いも多様化し、インターネットで知り合って数回会っただけで、中には会ったことがないのに結婚、という極端なパターンも増えています。これらは婚活サイトによく見られますが、他にも趣味のサイトなどで意気投合し恋愛に発展しても、結婚に至るまでの交際期間の長さによって配偶者ビザが取れにくいことがあります。

 

厚生労働省の統計から、婚姻を立証する目安となる交際期間は平均4年を基準とされており、しかも実際会ってからの対面での交際期間になるので、知り合って間もないカップルは気を付けて下さい。

 

6.コミュニケーションに支障がある

配偶者ビザの審査では婚姻の真実性、婚姻の継続性を見究めるため、カップルのコミュニケーション能力は重要な審査ポイントになり、能力が標準以下だとビザが下りにくくなります。

外国のケースでは現地語の試験合格や、会話能力を証明する書類が必要になる国もあります。

 

日本では、日本語能力検定試験である程度のレベルに合格すれば、ビザ審査通過に有利に働きます。

また、互いの母国語以外の外国語、例えば英語などで会話するカップルの場合は、TOEICなどの英語能力試験の得点も審査材料となります。

 

7.交際の証拠不足

近年偽装結婚が増えているため、入国管理局では真剣な交際の証拠材料となる写真や手紙・メールの通信履歴などの提出を要請しています。

申請には「スナップ写真2~3枚」が必要とありますが、受理されても許可されるとは限らないので、決定的な証拠を多く揃えることが必要です。

一緒に同棲している場合は、住居の賃貸契約書なども十分な証拠材料になります。

 

写真を使った偽装工作で逮捕されるケースもあるほどですから、不自然にラブラブアピールするのは避けた方がいいかもしれませんね。

 

8.極端な年齢格差

日本人同士のカップルでも、あまりにも年の差がある場合は周囲から反対や疑問の声が上がるように、いわんや国際結婚をや、ということです。

入国管理局がビザ申請にあたって「問題ない」と判断する材料として、厚生労働省の統計を目安しています。

 

その統計によると、夫婦の年の差は平均1.6年でその数字を基準として信頼しており、あまりにもかけ離れた年の差婚だと偽装結婚を疑われます。

特に「年配の日本人男性X若すぎる外国人女性」の組み合わせは、日本人同士でもそうであるように「財産目当て」と勘繰られるので注意しましょう。

 

9.外国人家族の認知不足

結婚前に互いの家族に相手を紹介するのは、真剣に結婚を考えていれば当然通過する儀式です。

相手が遠い外国だからといって相手の親に会っていない、紹介されていない、ということは偽装結婚と疑われビザも取りにくくなります。

 

何らかの理由でどうしても相手国に行けない場合は、その理由を証明する書類や、会わなくても親の信頼や了解を得ている証明を提出することが求められます。

 

10.扶養側の収入が不安定

国際結婚においては、外国人配偶者のみならず、日本人配偶者の収入が少なくても配偶者ビザの審査にひっかかります。

つまり国籍にかかわらず扶養する側の十分な収入、世帯としての年収が大きな審査基準となり、また扶養する家族の人数も審査対象とされます。

 

生活費や物価が異なる都市と地方では審査基準額は異なりますが、要は夫婦として「日本の国のお世話になることなく自分たちで稼げる」という資力証明を提出することが求められるのです。

 

11.日本人配偶者の雇用環境が不安定

配偶者ビザの審査項目に「1年間の世帯収入」があります。外国人配偶者の身元保証人となる日本人配偶者が、派遣社員・契約社員・アルバイト・パートなどの不定職に就き、その契約期間が1年未満の場合は婚姻の継続性が疑問視され、ビザ取得が困難となります。

 

日本人配偶者が自営業の場合は、売り上げではなく経費を差し引いた純利益を収入として吟味されます。節税のために経費を過大申告して記録上利益を最小限に抑える人もいますが、それだと低収入と判断されてしまうので、十分注意が必要です。

 

12.日本人配偶者の駆け込み就職

身元保証人である日本人配偶者が無職や不定収入の場合、配偶者ビザを申請する直前にかけこみ就職した場合は、形だけ整えた継続性の薄い婚姻とみなされ、ビザが許可されにくくなり、追加書類の提出を求められたりします。

 

また就職したばかりでは、正式採用でない試用期間もあり、十分な納税証明書も提出できないのでビザ取得が困難となります。

 

13.日本人配偶者が納税していないケース

日本人、外国人どちらかあるいは両方が無職や低所得だった場合は、納税義務がないため納税証明書が発行されず、ビザ申告時に非課税証明書しか提出できないため、婚姻の継続性を保証する財力がないとみなされ、ビザ取得は困難となります。

 

一方、日本人配偶者が滞納したり、経費水増しで所得を過少申告したり、自営業やアルバイトに多い脱税をしていた場合は、違法行為ですから配偶者ビザが下りる確率はほぼ皆無となります。

 

14.離婚歴がある場合

外国人配偶者に1度または繰り返し離婚歴がある場合、「婚姻の継続性」が疑われ配偶者ビザの取得が困難です。

離婚の正当性を示すためには、「婚姻期間・離婚理由・子供の有無・養育費の負担責任」などについて詳細な説明書の作成が求められます。

 

外国人の中には離婚歴を隠していたり、母国で離婚が成立していないケースもあり、信頼上審査に不利となりますし、重婚の場合はビザは下りません。

 

また、日本人配偶者が外国人配偶者と過去に離婚歴がある場合も、偽装結婚に加担していると疑われる可能性もあるので、上記の説明書の提出が求められることがあります。

 

15.不倫から結婚したカップル

どちらかの配偶者が結婚している間に恋愛関係に発展したいわゆる「不倫関係」では、それが民法上「不貞行為」として違法であっても、配偶者ビザ取得許可の判断材料として直接不利に働くことはありません。

 

ただ審査で質問される「結婚に至った経緯」で説得力がないことや、不倫故に証拠写真が少ないことは「婚姻の真実性」の立証を妨げる要因になります。

 

16.配偶者が難民申請中

相手の外国人が正式に難民として認められた場合は「定住者」として日本での滞在は問題がなく、上記の配偶者ビザ取得の注意点を気をつければいいだけです。一方難民申請中の場合は「認定」を待って配偶ビザ取得を行うのが賢明です。

 

申請中のカップルは交際期間が短く日本語のコミュニケーションに問題があり、ビザ取得の審査に引っかかります。

また、一度難民申請が却下され再申請している場合は、その申請の真偽が検討されます。近年就労目的の偽装難民も社会問題となっているため、
「難民申請中 → 駆け込み婚 → 偽装結婚」の図式に目を光らせているのです。

 

17.まとめ

国際結婚の手続きから永住ビザの通過線上にあって、偽装結婚を目的とした偽装申請が8割とも言われる配偶者ビザの取得は、年々審査が厳しくなっています。

 

許可制であるため、正しく証明された書類をきちんと用意すれば難なく取得できるので、上記のような点に注意して「婚姻の真実性と継続性」に自信をもって申請を行って下さいね。