国際結婚ならではのご祝儀事情

はじめに

国際結婚したカップルが日本で結婚するときは、ご祝儀ということで金品をもらうことでしょう。日本ではこのようなご祝儀は身の回りの人が結婚する場合においてmustのようなものですし、相場も概ね決まっています。

 

これが国際結婚の場合、ご祝儀の相場はいくらになるのでしょう、という問いをする前に実はもうひとつ大切な問いがあります。

国際結婚のご祝儀の相場は?

結論から申し上げて一概に申し上げることができません。そもそも文化が十人十色に異なる中で結婚のご祝儀については日本と異ならないなどそもそもあり得ないことです。ですからご祝儀のことを考える前にまず最初に確認すべきことはどの国の人と結婚するのか、そして場合によっては結婚する場所はどこか、ということです。

色々あるご祝儀事情

先述した通り、ご祝儀の相場は一概に申し上げることはできませんし、そもそもご祝儀を贈るという習慣が相手国に存在しているかというところも確かめる必要があります。それでは実際に各国のご祝儀に関わるケースを見てみることにしましょう。

・ベトナムの場合

近頃はベトナム人女性との国際結婚が目立つようになってきているこの頃ですがベトナムでのご祝儀事情はどうなっているのでしょう?ベトナムは日本と同じように結婚する人に対してご祝儀ということで金品を贈る習慣のある国になっており、他に東アジアではこのような習慣のある国が多いです。そのベトナムのご祝儀ですが平均的には20万VNDから30万VNDであることが殆どです。一見莫大な数字に見えますがいえいえ、ベトナムはインフレ状態なので日本円に直せば約900円から約1400円程度です。ただ、これがホーチミン(旧サイゴン)やハノイなどのような大都市になるとこれがさらに倍増し、挙句に我々のような(ベトナム人から見て)外国人の場合だとご祝儀の最低値は100万VND(約4600円)となんと5倍も違います。つまり、私たち日本人はご祝儀で最低でも4600円~を贈ることになると覚えていただければ大丈夫です。

フィリピンの場合

フィリピン人との国際結婚もベトナムに劣らず耳慣れたものになりつつありますがフィリピンのご祝儀事情はどうなっているのでしょう?なんとフィリピンの場合はそもそも結婚する人にご祝儀を贈るという習慣が存在しません。金どころかプレゼントも贈らない、我々には何も贈らないというのは恐縮に感じる節もありますし、渡すこと自体は別にNGなことではありません。ただし、渡す場合はなるべく個人的にこっそり渡すことに徹しましょう。その方がフィリピン人にとっては無理強いをしていないという安心感につながるそうです。

欧米の場合

欧米のご祝儀事情は大変とまでいかずともややこしい節があります。それは何故かというとそもそもご祝儀にかかわるルールが曖昧なのです。つまり、ご祝儀はないわけではないが決まりもない、これが欧米のご祝儀事情です。アメリカでは金を贈ることも少ないようですが実際には金を贈るのは欧米、中でも特に欧州ではマイナーなようです。代わりに何をするかというと多くは任意の相場を決めてそれに沿ったプレゼントを贈ることが多いです。つまり、欧米の場合はご祝儀として贈るプレゼント選びに意識することがメインになると考えていいでしょう。

中東及びマグレブ地域の場合

中東及びマグレブ地域(北アフリカ)の結婚式は大変興味深いもので、知り合いの知り合いの知り合いという関係でも参加できてしまいます。(筆者も1回参加させていただきました)そんな地域の結婚事情はご祝儀もまた独特で、原則的には存在しませんがイスラム教においてサダカート(喜捨)という思想があるので寄付することはあるそうです。ただ、原則として費用は全て新郎側が出し、参加者は何も贈ることは原則としてありません。むしろ食べて踊ってと参加者が楽しんでいることが彼らにとってはご祝儀のようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?これで国際結婚におけるご祝儀事情は一概に言えるものではないということがお分かりになったかと思います。ですからご祝儀のことを考える前にまずは相手国の結婚にまつわる習慣や文化について下調べをするのが無難です。